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オフィスのパーテーション遮音性能を徹底比較!種類別の特徴と選び方

オフィスのパーテーション遮音性能を徹底比較!種類別の特徴と選び方

オフィスをパーテーションで間仕切る際、最も気になるポイントのひとつが「音の漏れ・遮音性」です。会議室の会話を外に漏らしたくない、Web会議の声が執務エリアに聞こえないようにしたい──こうしたご要望を踏まえ、この記事では代表的な4種類のパーテーションの遮音性能を数値で比較し、その特徴と選び方のコツを解説します。

※本記事で提示している遮音性能の数値は、あくまでも参考値です。実際の性能は、厚さや素材、構造、施工精度に加え、天井裏・床下からの回り込みやドアの隙間など周辺環境・現場条件によって大きく変動します。

パーテーションの遮音性能とは?

パーテーションの遮音性能は、一般的に「dB(デシベル)」で表されます。例えば「遮音性能20dB」とは、60dBの音を40dBに下げる性能であることを示します。

以下は、音の大きさの目安です。

聴覚的な目安 音の大きさ 声での例 音の具体例
聴力機能に障害 120 dB   ジェットエンジン(飛行機)の近く
110 dB   自動車のクラクション(直近)
きわめてうるさい 100 dB 声楽のプロの歌声 電車が通るガード下
90 dB 怒鳴り声 カラオケの音
うるさい 80 dB かなり大きな声 パチンコ店内
70 dB 大きな声 騒々しいオフィス
普通 60 dB 普通の声 デパート店内
50 dB 小さな声 静かなオフィス
静か 40 dB ささやき声 図書館内
30 dB 小さなささやき声 深夜の郊外
きわめて静か 20 dB 小さな寝息 木の葉のそよぎ

種類別|パーテーションの遮音性能比較

種類 遮音性能(一般的な仕様) 強化仕様時
アルミパーテーション 20~30 dB
ガラスパーテーション 20~30 dB(単板ガラス) 40~60 dB(複層ガラス)
スチールパーテーション 30~40 dB 40~50 dB(グラスウール充填)、50~60 dB(厚さ増+グラスウール充填)
LGS壁 30~40 dB(PBシングル貼) 40~50 dB(グラスウール充填)、50~60 dB(PB2重貼+グラスウール充填)

※上記数値は、あくまでも目安とお考えください。実際の性能は、厚さや素材、構造、施工精度、周辺環境など現場状況によって異なります。

各パーテーションの特徴

・アルミパーテーション(遮音性能:20~30 dB)

普通の声(60dB)をささやき声(30dB)程度まで下げられますが、完全に聞こえなくなるわけではありません。軽量素材であるため施工性がよく、工期が短く比較的安価なのがアルミパーテーションの特徴です。遮音性よりもスピードやコストを優先したい、倉庫や更衣室などの用途に向いているといえます。

・ガラスパーテーション(遮音性能:20~30 dB)

遮音性能はアルミパーテーションと同程度となっています。ガラスパーテーションの魅力は採光性と開放感にあります。限られたスペースでも圧迫感を抑えつつ空間を区切れ、オフィス全体を明るく広く見せる効果があります。洗練された印象を与えるガラスパーテーションは、来訪者や求職者を迎える応接室や会議室などデザイン性を重視する空間に適しています。機密性を重視する場合は、複層ガラス仕様などにより遮音性能の強化を図れますが、コストアップには留意が必要です。

・スチールパーテーション(遮音性能:30~40 dB)

おおむね30〜40 dBの遮音性能を持ち、60 dBの会話をほぼ聞き取れないレベルまで抑えられます。機密性が求められる役員室や会議室での採用が多く、重厚感のある外観と耐久性も魅力です。パネル間にグラスウールなどの吸音材を充填すれば、遮音性能をさらに強化することが可能です。

・LGS壁(遮音性能:30~40 dB)

LGS(軽量鉄骨+石こうボード)壁は、スチールパーテーションと同等の遮音効果を発揮します。仕上げ材はクロス・タイル・塗装など多彩で、曲線やニッチ棚を設けるなどデザインの自由度が高いのが特長です。そのため、オフィスエントランスと執務スペースを隔てる壁として採用されることが多く、セキュリティの面での遮音性と会社の顔としてのデザイン性の両立が図れます。さらに、石こうボードの間にグラスウールを充填し、ボードを二重貼りにすることで50〜60 dB近くまで遮音性能を強化でき、個室ブースやオンライン会議室など声量が大きくなりがちな空間にも適しています。

遮音性を高めるには「隙間対策」が重要

せっかく遮音を気にしてパーテーションを設置しても、そこに隙間があれば音は簡単に漏れてしまいます。

特に注意したいのは次の取合い部です。

・窓やサッシとの接続部

・照明器具との取り合い

・空調機器との取合い

これらの箇所は、計画段階から隙間が生じにくい位置にパーテーションを配置するか、やむを得ない場合は隙間埋め材でふさぐことが重要です。

なお、ランマオープン(パネル上部を開放する仕様)では遮音効果はほぼ期待できません。

まとめ

パーテーションを選ぶ際は、遮音性能・デザイン・工期・ご予算を総合的に検討することが不可欠です。さらに、計画段階から隙間をつくらない配置を意識することで、完成後の遮音性が大きく向上します。

パーテーションの設置に際しては、消防設備(煙感知器等)の増設、空調効率、照明の照度といった関連要素も忘れずにご確認ください。

法人専門内装プロでは、これまで多くの施工実績より学び、経験してきたノウハウを活かし、お客様のご要望に最適なパーテーション計画をご提案できるよう努めております。大阪7区(大阪中央区、大阪西区、大阪北区、大阪淀川区、大阪浪速区、大阪福島区、大阪天王寺区)でオフィスにパーテーションの設置をご検討中の際は、ぜひ法人専門内装プロまでお気軽にご相談ください。