オフィスの改修と修繕の違いは？オフィスリフォームとオフィスリノベーションの違いも解説

オフィスや事務所を移転しようと思った時、紛らわしい用語に戸惑った経験はないでしょうか。

移転の際に耳や目にする用語には、普段聞き慣れない、似たような言葉も多くあります。しかし、そのような用語を曖昧に使用していると、誤解を生じ、混乱を招く恐れがあります。

この記事では、オフィスや事務所を移転する際、ぜひとも知っておいてもらいたい建築業界においてのそれぞれの用語の違いについて解説していきたいと思います。

「改修」と「修繕」の違い

「修繕」とは

まず、修繕とは、建物や住居の経年劣化に伴う損耗を、できる限り当初の水準にまで戻すための工事を指します。例えば、オフィスでは、古くなった壁紙や床材を新しいものに貼り替えたり、調子の悪くなった空調設備を新品に交換したりすることで、当初の快適な環境を取り戻すことを目的とします。

「改修」とは

それに対して、改修とは、現在の建物に対して、利便性や快適性または機能を向上させ、建物の価値を高めるための工事を指します。具体的に言うと、オフィスでは、床をOAフロア化してシステム環境を整備しやすくしたり、照明をLED化して省エネを図る工事などが該当します。

「改修」と「修繕」の違いとは

改修と修繕の違いは、価値の変化の方向性にあります。
改修とは、現状を上回る価値向上を目指す工事のことです。建物の機能や性能を高めたり、新しい設備を導入したりすることで、建物の価値を現状よりも上げていくプロセスと言えます。
一方、修繕は現状の価値を維持することを目的とした工事です。建物の劣化や損傷した部分を元の状態に戻し、価値の低下を防ぐ工事になります。
つまり、「改修」はプラスの方向へ価値を高める工事、「修繕」はマイナスをゼロに戻す工事と言えるでしょう。

「リフォーム」と「リノベーション」の違い

建築業界では、改修や修繕とほぼ同じ意味を持つ言葉として、「リフォーム」と「リノベーション」があります。これらの用語の意味とその違いについて解説します。

「リフォーム」とは

リフォームとは、老朽化した箇所を元のキレイな状態に戻す、原状回復することを指します。オフィスの場合、壁を塗り直したり、床のタイルカーペットを貼り替えたりする工事が該当します。

「リノベーション」とは

リノベーションとは、建物や内装の利便性、機能性、デザイン性を向上させ、その価値を高める工事のことです。オフィスのリノベーションでは、以下のような工事が行われることで、業務の効率化、企業ブランディングの向上、セキュリティの強化、コミュニケーションの活性化、従業員の定着率向上などの付加価値が生まれます。

• 床をOAフロア化して機能的なレイアウトを実現
• おしゃれなデザインのエントランスで好印象を与える
• 間仕切り壁で執務スペースと受付エリアを区分けし、セキュリティを確保
• リフレッシュスペースの設置で従業員の心身のリフレッシュを促進

このように、オフィスのリノベーションは単なる内装工事ではなく、働く環境を根本から改善し、オフィスの生産性と価値を高める取り組みとなります。

オフィスリノベーションに該当する工事内容と期待される付加価値

「リフォーム」と「リノベーション」の違いとは

リフォームとリノベーションの違いは、リフォームが元のキレイな状態に戻す「修繕」に近い意味合いなのに対し、リノベーションは利便性や機能性を向上させ、価値を高める「改修」に近い意味合いとなります。

まとめ

オフィスや事務所を移転する際に出てくる専門用語には、似た言葉が多く存在し、それらの違いを正しく理解しておくことが大切です。
オフィス移転を検討する際には、自社のニーズに合わせて適切な工事内容を選択することが重要です。単なる修繕にとどまらず、オフィス環境の根本的な改善を行うリノベーションを実施することで、業務の生産性向上や企業ブランディングの強化、従業員の定着率向上など、さまざまなメリットが期待できます。

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